勝亦丸山建築計画 が事業主体として設計から運営までを行う、 ゲストルーム1室、賃貸ルーム3室、アトリエ1室からなる、築40年の木造2階建て住宅を改修したシェアハウスである。物件の契約や、賃貸システムの構築補助、管理までを創造系不動産がサポートし、空き家利用へ向けた建築と不動産の協働モデルとなることを模索している。
 敷地は西日暮里駅と田端駅の中間に位置し、私道を挟んで築古の木造住宅地の一角にある。成田空港や東京駅からのアクセスが容易で、近くには谷中銀座商店街や銭湯などの下町情緒あふれる風景が多く点在している。一方で、このプロジェクトは多拠点型生活のサービスを展開するための布石としても位置づけており、活動拠点である静岡県をはじめ、地方からの人が行き交える場となるように、生活・交通・観光の要素が備わっているこのエリアを選定した。
 1階の共有部は外部の人が利用することも想定し、日常的でありながらも住人の領有とならない、「フラット」な場になることをこころがけた。構成としては、外部を引き込むように私道に沿わせて土間の通りを設け、 内壁には向かいの住宅と同様の外壁色を用いている 。同時に、ライティングレールで内部を囲い込むようにフレーム化することで、入れ子状の領域が生まれ、土間の輪郭を強調している。ここでは今後、私道を介した一体的なリノベーションが視野にいれられるように、通りと関係しあう手法をとっている。
 また、建築ラッパー「カタチトナカミ」とタイアップし、 建物の竣工と同時に、楽曲も出来上がるという取り組みをしている。MVには工事の様子から竣工した後のオープニングイベント、西日暮里の風景などが収められ、写真や図面では伝わりづらい、西日暮里のシェアハウスの空気感が感じられる作品となっている。

解体後の様子

©2015 KATSUMATA + MARUYAMA ARCHITECTS