「地方都市での生活の豊かさの向上」と「地方中心市街地が抱える複合的な問題解決」を同時に行う活動として「イベント商店街占拠」は誕生しました。これは中心市街地の使われていない空間を刺激的かつ創造的な方法で使いなおし、使いたいと考えている人を繋いでいくことにより、楽しさの密度の高い魅力的なエリアをつくろうというものです。地方の中心市街地は全国的に空洞化という問題を抱え多くの使われないスペースが存在しています。しかしエリアの"既にある豊かさ"を見つけられていない場所をよく目にします。吉原商店街にも、ほこりまみれで眠り続けている空間が多数あり、それらは商店街エリア全体の価値を下げているように思えます。もし、その小さなビンテージの空間の数々をオモシロイ人たちがガンガン使い始め、生活を始めたら...どんな豊かな生活が生まれるでしょうか?私たちは、そのような状況を想像すると、どうしようもなく可能性を感じてしまうのです。
商店街占拠では、富士内外の住民、アーティスト、商人、パフォーマーが集まり、吉原商店街の立体駐車場に「小さなビレッジ」が出現します。毎年のイベントの様子は、いろいろな年齢層の人たちがフラッと来場して、出展者さんとのコミュニケーションを楽しんでいます。2014年では、延べ3000人が来場しました。また、出展者の中には、三日間テントを張って駐車場に住んでしまう参加者や、遠方からの参加で近くの宿に泊まり、観光感覚でイベントに参加する人もいます。出展者は初めてイベントに参加した人や、プロの画家やクラフトマンなどがまじっていて、出展者同士のコミュニケーションが多いのも特徴です。さらに、私たち主催者も会場で三日間を過ごすので、本当にそのビレッジの住人になったような錯覚に陥るほどです。 オモシロイ人たちが歩いていける距離にたくさんいて、まちを歩くとたまたま出くわし、あいさつをするような「小さなビレッジ」がイベント「商店街占拠」の雰囲気です。

©2015 KATSUMATA MARUYAMA ARCHITECTS