静岡県東部の富士市と沼津市に店舗構えるサニーロック。新店舗となるブルーキャニオンはオリンピック種目となるボルタリング、リードクライミング、スピードクライミングの3種の競技を体験することができる施設です。

高さ12mの壁を登ることができるこの施設は、3層吹き抜けで大きな気積をもつ鉄工所だった建物をクライミングジムへ用途変更しました。

クライミングウォールに囲まれた空間は、室内にいながらもどこか峡谷に似ています。そこで普段、外部に面するファサードを峡谷に対峙するように室内に向けることにしました。不整形なウォールのリズムに馴染むように、木毛セメント板による4枚の壁をレイヤー状に配置し、壁の高さや奥行き方向に変化を持たせることで、砦のような構えとなりました。

レイヤーにより分割された平面の中心に、吹き抜けのあるエントランスを設け、エントランス介して十字に視線を抜けることで、開放性をつくると共に施設の各部屋のアナウンスがしやすくなります。エントランスの周りには物販スペース、受付、休憩室があり、2階には更衣室やデッキスペースがあります。また期待感を高めるために、クライミングスペースへの開口や天井高をしぼり、エントランスから全体像がみえないようにしています。

2階のデッキスペースは高い位置からクライミングを見学でき、イベント時には客席の場所にもなります。

設計

勝亦丸山建築計画

担当

勝亦優祐 丸山裕貴

施工

アトリエCRAFT

写真

千葉正人